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経済成長が著しいタイの現状と今後の方向 タイ王国へ、ようこそ

「昨年のタイ大洪水の影響のその後」
日本では秋の季節となり、台風シーズンに入っていますが、皆様い
かがお過ごしでしょうか。
ちょうど2011年 昨年の今頃、タイではおよそ60年ぶりとなる大洪
水が発生しました。
タイの中部アユタヤ県を中心にチャオプラヤー川流域で甚大な被害
を出し、3か月以上続いた洪水は、タイの国土の600万ヘクタール以
上を浸水させて、タイの農地、住宅地、工業団地を次々と飲み込ん
でいきました。
また工業団地関係ではアユタヤ県を中心として7つの工業団地が最
大で3m程度浸水し、それが40日程度続き、ソニー、東芝、ホンダな
ど数多くの日系企業も甚大な被害を受けました。
被害においてはこの洪水の死者は800名以上となり、界銀行の推
計では、自然災害による経済損失額の大きさでは、東日本大震災、
阪神大震災、ハリケーン・カトリーナに次ぐ史上4位(2011年現在)
で被害総額は1.4兆バーツ(約3兆円規模)に達し、タイの2011年度
のGDP成長率は+0.1%まで大幅に押し下げられました。
浸水被害の拡大は、長期化し、わたくしの会社の従業員の自宅も一
部浸水。その結果避難を余儀なくされました。
日本側でもかなりタイの洪水ニュースは報道されていてバンコク中
心部の日本人居住区まで僅か6km付近にまで迫りましたが、11月半
ばにようやく拡大が止まり、インラック首相は11月19日にバンコク
中心部の安全宣言を発表しました。
筆者個人の感想ですが、海外に住むケースでは日本ではなかなか想
像も付かないようなことが頻繁に起こるため、危機管理意識、その
後の対応の判断に対して鋭敏な感覚、情報収集能力が非常に求めら
れることを実感した災害でした。
実際に、タイの北部・中部の工業団地内の会社では、情報収集が遅
かった企業(タイ語→英語→日本語と伝わったケース)では重要な
書類を流されてしまったケース、精密機械を避難させる時間が無か
ったケースが続出したそうです。
逆に駐在経験が長く、(タイ語→タイ語で情報収集していた日本人
社長のケース)ではトップダウンの指示の下で社員を避難させ、ぎ
りぎりの対応でなんとか被害を最小限に食い止めた企業もあったそ
うです。
映画のタイタニック号のお話ではありませんが、特に緊急災害の時
には、トップの能力の差がこれでもかと言うほどに出てきます。
現場で最後まで指揮している日本人の方を何人も知っていますし、
逆に読み間違えてしまった経営者の方もいました。
海外進出のお手伝いをしていますと、国によってまったく違うため
特に現場を重視していかないと失敗しますとご説明するのですが、
こういう災害が起きて初めて指示待ちをおこなう大きな企業ほど動
けないことが分かってしまいました。
「実際に現場を訪れてみて」
そしておよそ10ヶ月ぶりに2011年10月に大きな被害を受けたサハラ
タナコン工業団地内へ視察に行く機会がありました。
アユタヤ県の中でも北部側にあり、クルマでおよそ1時間45分ほど。
途中までは4車線~6車線の大型道路でしたが、工業団地が近づくに
連れて大洪水用の大型防水堤の建設もおこなわれていました。
しかしサハ・ラタナコン工業団地内で操業する現場の方の話では進
捗状況うんぬんよりも低い防水堤では水を防ぐには難しいだろうと
言っていました。
現場をぐるりと見渡すとまだまだ広大な工業団地の開発地が見えま
すが60年ぶりの大洪水を受けてしまった後は、この水害の可能性が
ある地区よりもタイの東部、東南部へ進出を希望する企業が圧倒的
であり、この地区を新しい進出先として考える企業は少なくなって
いるのが現状だそうです。
「2012年のタイ経済」
2012年度のタイ経済は欧州危機不安、中国経済の成長鈍化などもあ
りながら、+4.0~5.0%増の成長を見込んでいます。
特に自動車産業の回復が力強く、タイで初めてとなる自動車生産台
数200万台突破も現実味を帯びています。
三菱のミラージュ、日産のマーチなどもタイ生産に切り替わった影
響で次々とタイへの進出を決める企業も増加中です。
弊社でも海外進出の支援をしていますが、報道で言われるような製
造業以外にも中小のサービス業の進出もかなり増加しています。
それはアジアの中間層の割合が増加しているため、ファッション、
外食、旅行、保険、インターネットなどのサービス分野のニーズが
上がっていることが挙げられます。弊社の支援先もファッション、
衣料、靴、クリーニング、教育サービス、食品、農業サービス医療
ケア、スポーツ分野などなどこれまでには無かった案件がかなり増
加しています。
タイ人もバンコク市内を見渡せば ダイエット製品・サービスをPR
している広告やおしゃれな店舗がかなり増えました。また流行って
いる日本食レストランは大半がタイ人で埋め尽くされています。
またここ最近では駅前で、日本の傘を販売している企業様のお話を
聞くことが出来ました。なんと日本で不用となった傘をタイ人向け
に販売しています。
日本では無価値なモノでも、タイに来ると、おしゃれであり、耐久
性のある日本で販売されている傘はタイでは売れているのです。
海外進出が叫ばれて久しいですが、まだまだいろいろな分野におい
てビジネスチャンスが眠っているのだと実感したお話しでした。
阿部俊之
タイ王国和僑会幹事 早朝読書会担当
アセアンジャパンコンサルティング株式会社
会社のwebサイト:http://thaikabu.net
紹介ページ:https://waoje.net/db/bangkok/?p=206