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タイ大卒者の就職事情とタイ労働市場の現状と課題 Pt.8

こんにちは、副幹事の小田原です。
8回にわたってタイ大卒者の就職事情とタイ労働市場の現状と課題についてお送りしてきましたが、
今回は最終回となります。
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8.外国人労働者の問題
【ポイント】
・隣国からの出稼ぎ労働者に支えられてきたタイ経済。
・建築不動産、自動車、飲食、家政婦現場などで人手不足が深刻化。
・ミャンマーやカンボジアでは国内労働者の帰国を促すなど影響は必至。
タイは空前の好景気が続いており、労働市場もヒートアップ。取り分け、建築不動産分野や自動車関連産業、過熱化が進む外食レストラン部門、それに家政婦派遣市場などで人手不足が顕著になっている。これまで、こうした労働現場の大半は、ミャンマーやラオス、カンボジアなどの近隣諸国からの出稼ぎ労働者によって支えられて来た。ところが、最近になって事情に変化が現れるようになっている。
バンコク首都圏では商業モールやコンドミニアムの建設ラッシュが続いている。需要に対するピークにはまだまだ達していないと受け止められており、しばらくの間はこの傾向が継続するものと見られている。
問題となっているのは、現場の労働力不足。タイ工業省建設研究所(CIT)によると、現在必要とされている建設労働者は約290万人。ところが、多く見積もっても260万人程度しか確保できておらず、30万人がなお足りない計算となる。
自動車関連の製造現場でも同様。タイでは2012年、自動車の生産台数が過去最高となる245万台を記録。2011年の大洪水による影響が大きなバネとなったが、今後も増加傾向は続く見通しだ。このため現場では人手不足が深刻化。タイ工業連盟(FTI)自動車部会の試算では、現在、タイ国内で自動車関連産業に携わる労働者は約70万人。日本のトヨタ、ホンダ、日産などが新たな増産体制を打ち出すなどしており、さらに20万人が必要と試算されるものの、見通しは立っていない。
飲食現場でも、調理人やウエートレスなどの労働者確保が難しくなっている。このため、飲食店の中にはわざわざ休業日を設定して労働力不足に対応したり、近隣の飲食店と従業員をシェアリングして人手不足を解消しようという動きも。ただ、賃金も上昇しており、一朝一夕には解決できる状況にはない。
派遣家政婦市場でも人手不足が続いている。加えて2012年4月から始まった最低賃金の引き上げ策が追い討ちに。もともと家政婦労働者の派遣料(労賃+派遣手数料)は低く、最低賃金が引き上げられたからといって、直ちに派遣先への派遣料に転嫁することは不可能。派遣会社側が負担を強いれられているのが実情で、バンコクにある派遣会社では毎月数百万バーツの赤字を強いられている。
これらの労働現場では、これまで不足分を近隣諸国からの出稼ぎ労働者で補って来た。建設、自動車などの労働現場ではカンボジアやラオス、レストランや派遣家政婦の現場ではミャンマーからの出稼ぎ労働者が多いとされてきた。
ところが、最近になって事情が大きく変化。西隣のミャンマーでは民主化が進んだ結果、労働市場が拡大。さらに2015年にASEAN会議が開催されることで、現在、国内の人手不足が深刻化しているという。ミャンマー政府はタイ国内にいるミャンマー人に対し帰国を促しているともされ、タイ経済に対する影響は少なくない。カンボジアでも同様で、工業団地などの整備が進んだ結果、自国に帰って職に就こうというカンボジア人が増えているという。
小田原 靖
タイ王国和僑会副代表幹事
PERSONNEL CONSULTANT MANPOWER (THAILAND) CO., LTD.代表取締役
会社のwebサイト:
タイ人材紹介業http://personnelconsultant.co.th/
バンコクレンタルオフィス運営http://office23.asia/
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