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<YOUは何しにSGへ~VOL01>海外を目指した理由は世界を支援するため

Image by Jason Goh from Pixabay

一般社団法人ウェブ解析士協会(WACA pte.ltd)の代表理事 江尻俊章です。2020年からWAOJEシンガポール支部でコミュニケーション理事になっています。

いまは法人を日本とシンガポールに法人をもっています。日本は一般社団法人、シンガポールでは普通の株式会社を設立しています。また別の機会にお伝えしますが日本の一般社団法人のような曖昧な制度はシンガポールに限らず、ほとんどありません。

わたしのシンガポール起業の理由

海外で起業をするときにどの国、地域を選ぶのか。

この答えは経営者の数だけ、企業の数だけ理由があります。
海外で起業を志すなら、最終的には自分自身で決めるしかありません。

しかし、他の人の成功失敗経験はためになるはずです。
未来の起業家のためにWAOJEシンガポール支部としては、シンガポールで起業をした物語、ストーリーを紹介して、判断の基準なればと思います。

私は、ウェブ解析士協会は6年ぐらい前から海外でも講座を行っています。

  • 英語、日本語のカリキュラム作成
  • 講師を育て、ビデオを作成
  • 様々なイベントに出展し内容を説明
  • アライアンスを組んで展開を模索

いろいろ、まだ順調とは言えない。事業としてまだ黒字化する目処もまだ先の状態です。だから成功事例を知りたい人はここでそっと検索し直すこと(笑)。

私はソフトバンク・テクノロジーに会社を売却する前後、2010年にウェブ解析をカリキュラムをつくったときから海外への意識はありました。日本の地方の中小企業が伸ばせる市場は日本国内ではない、海外にある、という極めて単純な理由だった。だから将来英語のコンテンツをつくって海外の中小企業も支援するよ、と入っていました。

その頃30代後半で、私は英語が全く話せなかったのだ(笑)。
誰も本気にしていなかったし、冗談にもなっていませんでした。

使命感から海外へ向かう決意をする

しかし私は世界の中小企業に伝える使命感を感じていました。

ウェブ解析はウェブを利用しようとする中小企業にとって必要な知識です。
しかし中小企業がビジネスで成果につなげられるようなリアリティのあるウェブ解析の活用はコンテンツが少ないのではないかという仮説はありました。だから世界中の中小企業が成功するために、私達のノウハウはかならず役に立つはずだと考えました。

余談ですが、そしてコロナ禍でそのタイミングは加速しています。いま飲食店宿泊業B2Bの対法人企業もウェブ解析が必須になって、今振り返れば、もう少し早く日本人経営者にもウェブ解析を伝えれば多くの企業を支援できたはずでした。

さて、そんな思いもあって、思い切って2014年にSoft Bank Technologyに会社を売却しました。その1つの理由は海外でした。ソフトバンクは当時アメリカのverisonを買収しアメリカに展開するタイミング。

グループ全体が海外に向かっていてSBTの阿多社長も海外への舵取りをしていたときだった。

シンガポールをベースにした3つの理由

海外に行った人にも国内の人にも一番聞かれるのはなぜ私がシンガポールをベースに決めたか、その理由です。海外といっても世界中に国はあり、税制、ビジネスチャンス、参入容易制などたくさんのファクターがあります。

私の場合、3つの理由からシンガポールにしました。

1.まず英語が通じるところ

私達が戦うウェブ解析はマーケティングの技術です。そしてマーケティングは欧米が本流と思われています(そうではないという主張もしていきたいけど、それはまた今度)。

英語文化で認められること、それができないと結局広がらないと考え、英語での認知度を高めることが重要だと思っていました。他の言語で市場シェアをとっても、結局英語では伝わらないと世界という市場において価値を認めてもらうのは困難でしょう。

そしてどんなに優れた書籍をつくれたとしても中国語、スペイン語はすぐ私が対応することが不可能だったことも大きかったです。

2.国外展開が容易なところ

私はすでに国内で広がったビジネスを海外に展開する部類に入ります。そして海外で広げることを目指しています。私達にとって『広げる』のは受講者でも講座でも講師でもありません。私達が教育を通して育てたプロが貢献できる中小企業です。中小企業に認めてもらう仕事にすることです。

その視点でいけば人口が多いかどうか、マーケットが大きいなんて視点あまりありません。価格の高低やマーケットの大小に関わらず世界に行きやすい国を選ぶことでした。

シンガポールは米国以外の国であれば日本とほぼ同じぐらい世界に門戸が開かれています。とくに東南アジアでは非常に移動が容易です。そして他の国比べ合理的な法制度、経済制度であり、門戸が開かれています。制度はウェブでも見られて論理的です。外国人だから当然のハンディキャップはありますが、税制も設立条件も明文化されてクリアーです。

余談ですが、インドネシアやカンボジアなど、シンガポール以外の国で起業したり契約を締結するときもシンガポールで契約を交わすことがよくあります。他の国が法律の改定が十分ではなく、判例や習慣などを知らないといけないため、外国人にとって適切な契約締結が困難なことがあります。そのときにシンガポールの契約は英語であり、法律の根拠も明確なのでリスクもすくない訳です。

3. 他の国から見てマーケティングの資格として価値を感じること

これが一番大事で、日本ではない国で、他の国、特にアジアの国々から文化や経済や技術的に先進国であることが必要でした。できれば日本にエンゲージメントが無い国でも、その国ならばエンゲージメントを持っている国を選びたいと思っていました。そうすればどちらから動けば価値を認めてもらえるので、相互補完になります。

この理由で決めるなら、最も優れた国は中国です。でも中国は知れば知るほど難し市場です。中国以外の国にも、すぐれたマーケターはいます。魅力的な、興味深いマーケティング手法もあります。しかし、その手法はその国以外で評価されにくいと感じていました。

アジアの全部の国をちゃんと調べきっていないかもしれないが、それらの消去法を考えるとシンガポールとなりました。

結論からいって、当然だがシンガポールはすべての人にオススメではありません。物価、特に家賃や人件費も高いしですし、ビザの継続などビジネスを続ける難しさもあります。

一方でシンガポール政府が優遇したいビジネス、例えば私達のようなライセンスのようなビジネスであれば、シンガポールは魅力があるはずです。

まずは色んな国を見て、起業家と話をして良い点悪い点を聞くと良いでしょう。